日本で同性婚を考えているカップルが検討すべきポイントとメリット&デメリット

みなさん、こんにちは。てづかやよい(@yasuu2867)です。

やよい
結婚と一口に言っても、目的によって方法は様々です

今回の記事では、私たちカップルが「どんな方法で結婚するのか?」を決める上で重要になったポイントをご紹介します。

婚姻届が出せない同性カップルや、既存の結婚の方法以外での結婚の形を模索している全てのカップルの参考になると嬉しいです!

結婚前のカップルが検討すべき3つのポイント

私とパートナーの場合、同性同士の結婚だったので、いわゆる”婚姻届を出すという結婚”はできません。そこで、8種類の選択肢の中から「公正証書を作る」という方法を選びました。

その結論を出すまでに、パートナーとは何度も話し合いをしたのですが、その中でも特に重要だと思うポイントが3つあります。

<重要な3つのポイント>

  1. 自分やパートナーにとって結婚することの目的は何か、徹底的に話し合い、
  2. その上で、「結婚した」と納得できる方法はどれか、二人で相談しながら選び
  3. その方法のメリット・デメリット、具体的な準備が、今の自分たちにできることなのか、検証し、二人で最終判断をする
くーたろー
この3つのポイントを元に、まずはパートナーとしっかり話し合いの時間をとってみよう!

それではこのポイントについて詳しく解説していきます。

ポイント1:結婚することの目的は何か話し合う

くーたろー
私、パートナーと結婚したいの!!!やよいちゃん、どうすればいいと思う?
やよい
おめでとう、くーたろー!婚姻届を出すのが一般的だけど、実際は色んな方法があるからねぇ。ところでくーたろーは、何の目的のために結婚したいの?
くーたろー
えっ!!そんなこと考えてもみなかったなぁ・・・。改めて聞かれると、漠然と「結婚したい」って思っていたから、目的まで考えていなかったよ・・・汗

私と妻にとっての「結婚」とその目的

私と妻にとって、結婚相手とは「一生一緒にいられるパートナー」のこと。つまり私とパートナーにとっての結婚とは、「二人が一生一緒にいるための仕組み」を意味していました。

私はパンセクシャルで、男性とお付き合いをしていたこともあるので、「なぜ女性と付き合っただけで婚姻届が出せないの?」という疑問がありましたが、「同性同士が婚姻届が出せない」のが今の日本の現実であるならば、そこに文句を言っても仕方ありません。

「異性カップルのように婚姻届を出すこと以外、結婚だと思えない」ならまだしも、私たちカップルはそこにこだわりはありませんでした。

婚姻届に近いような効力がある他の方法を調べ、その方法を実行する方が建設的だと思っていましたし、二人の「結婚したい!」という幸せな気持ちに水をささなくて済むと思ったからです。

なぜ、結婚の目的を話し合う必要があるの?

私と妻の場合は、「一生一緒にいるための仕組みを作ること」が結婚の目的だったので、公正証書を作るという選択をすることができました。

しかし、もし二人にとっての結婚が「一緒に生活できればOK」という目的だった場合だったら?

公正証書を作らず同棲するだけでよかったでしょうし、「記念に残るものがほしい」「けじめとしてしたい」のだったら、結婚式や結婚指輪でよかったでしょう。

このように、何のために結婚をしたいのか、結婚する目的は何なのかを明確にすることで、その方法が変わってくるのです。

ポイント2:「結婚した」と納得できる方法はどれか決める

私と妻にとっての納得できる方法

私たちカップルが結婚の方法として重要視したのは次の3つです。

  1. 二人が一緒にいられるよう、法的な効力を少しでも持たせる
  2. 二人の決意や想いが、目に見え、形として残るようにする
  3. 周囲や時間が経った後の自分たちに、「結婚した」という事実を客観的に示せるようにする

①~③全ての条件を叶えられる方法としては、いくつかの方法がありました。

  • a)公正証書を作る
  • b)養子縁組を組む
  • c)渋谷区など国内で同性パートナーシップに積極的なエリアに引っ越し、証明書を取得する
  • d)同性婚が認められている国で結婚をする
  • e)同性婚が認められている国に移住する

私たちは二人ともフリーランスで仕事をしているので、サラリーマンよりも比較的場所を選ばず仕事ができます。しかし、それでも「e)同性婚が認められている国に移住する」のはハードルが高すぎました。

「d)同性婚が認められている国で結婚をする」のも、その国の法律においては結婚したと認められはしますが、日本に住んでいる私たちにはあまりメリットが感じられません。

「c)渋谷区など国内で同性パートナーシップに積極的なエリアに引っ越し、証明書を取得する」ことも考えましたが、「もし私たちが練馬区ではなく渋谷区から遠い県に住んでいたら?候補にも挙がらないよね」という話になり、やめました。

渋谷区の取り組みは素晴らしいものですが、「同性パートナーが認められている地域」に自分たちの住むエリアを合わせるのは何だか納得がいかなかったのです。制度に、人の生活や人生を合わせるのは、やっぱりどこか違うと思ったのです。

最終的には、「a)公正証書を作る」と「b)養子縁組を組む」の二択になりました。

実は当初、養子を組む線で話が進んでいました。意外にも「b養子縁組を組む」のは簡単な手続きでできることを知ったからです。

ところが、後日、現行の法律で「養子縁組を組んでいた者同士は、養子縁組解消後も結婚できない」という決まりがあることを知り、「今後日本で同性婚が認められた際、養子縁組を組んでいる同性カップルの扱いが懸念されている」という事実を知ったため、この選択肢が無しになりました。

私たちは、近い将来、日本でも同性婚やそれに近い形の法律ができると信じているからです。

譲れない条件とそれに合致する選択肢を洗い出し、そこから一つずつ丁寧に検証していった結果、残ったのは「a)公正証書を作る」でした。

公正証書を作れば、婚姻届で得られる法的な権利をある程度カバーできますし、婚姻届のように書面にすることで「結婚の実感」を感じられるとも考えたからです。

なぜ、納得できる結婚の方法を選ぶ必要があるの?

「結婚=婚姻届を出すこと」と定義している場合は、選択肢が1つしかないので、それほど悩まないですみます。しかし、「婚姻届を出す以外の方法」と範囲を広げると、私たちカップルの場合でも8種類もの選択肢があるのです。

勢いや直感で決めるのも手ですが、自分たちが何のために結婚したのか目的が明らかになっているなら、それを一番叶えることができる方法を選ばなければ、あまり意味がありません。

どの方法を選んだとしても、それなりの手間暇がかかり、二人が協力しなければ成し遂げることができないので、もし適当に選んだ方法だと「なんでこんな大変な想いをしなくちゃいけないの?」「そもそもこんなことまでして結婚をする意味ってあるのかな・・・」と、結婚そのものに疑問を感じるようになってしまうからです。

ポイント3:今の自分たちにできる方法なのか検証し、最終判断をする

やよい
結婚の目的について話し合い、その目的に合った方法が決まったら、その方法を使うため

  • どんな準備が必要で
  • 費用はいくらかかって
  • どのくらいの期間がかかるのか
  • 自分たちだけで出来ることなのか
  • 外注や協力者が必要なのか
  • この方法で結婚した時のメリットは何か
  • デメリットは何で、妥協やカバーできる程度のことなのか

など、これらを総合的に考え、最終的に「今の自分たちにできることか?」を、十分検証し話し合う必要があります。

「a)公正証書を作る」を選んだ場合

私たちが作った公正証書は、2種類。

  1. 準婚姻合意契約公正証書
  2. 任意後見契約公正証書

①準婚姻合意契約は両者1通で済みますが、任意後見契約は私と妻それぞれ1通ずつ必要なので、2種類3通作成する必要がありました。

補足

①②とも、私たちのような同性カップルだけでなく、異性カップルも使うことができます。

①②に加え、「遺言公正証書(いわゆる遺言書)」を作るか検討しましたが、

  • 追加で費用がかかるので、全体予算的に高くなり過ぎてしまうこと
  • 二人の年齢が20代30代ということで、一般的に病気・死亡の確率が低いこと
  • 遺言にしたい内容が短期スパンで変わる可能性が高いこと

から、時期尚早という判断になり辞めました。

準婚姻合意契約公正証書と任意後見契約公正証書の内容

渋谷区のパートナーシップ証明書の取得を検討しているカップルは、準婚姻合意契約公正証書と任意後見契約公正証書を作る必要があります。私たちも東京が拠点で、いつ渋谷区に引っ越すか分からないため、一応渋谷区の証明書を作ることも視野に入れ、この2種類を作りました。

それでは私たちカップルが作った準婚姻合意契約公正証書と任意後見契約公正証書について、簡単に内容をまとめてみます。

準婚姻合意契約公正証書

<特徴>

  • 記載できる内容の自由度が高い(契約者同士が”合意”していて、法律違反にならないことが前提)
  • タイトルに「婚姻」という言葉が入れられる(役場によっては「パートナーシップ合意公正証書」とされる場合も有)
  • 法的効力は契約当事者間に適応される(第三者に強制力はないものの、契約当事者が条文内容を遂行できるよう、第三者に協力を求めることができる)

<ざっくり内容>

  • 配偶者と同等の権利義務を得て、円滑な共同生活を送ためにこんな約束をします
  • 私たちは愛と信頼に基づく真摯な関係ですよ
  • 生活費の負担
  • 契約解消(離婚)時の慰謝料、子どもがいた場合の養育費などの決め事
  • 死亡時の財産贈与、不動産や居住環境、葬儀供養などの決め事
  • 入院等の療養時の面会の権利や手術の同意の権利があること
  • 家事の負担
  • 個人の財産と共同名義の財産
  • 子どもの養育
  • ペットの飼育
  • 親との同居

任意後見契約公正証書

<特徴>

  • 記載できる内容はほぼ定型で決まっている(私たちも既存フォーマットをほとんどそのまま使いました)
  • 法務局に登記される(登記とは、契約の重要な権利や義務を登記法などの手続法によって保護し、円滑な取引が実現される法制度の一つ。)
超重要ポイント

準婚姻合意契約はたとえ公正証書にしても法務局には登記されません。しかし、任意後見契約は公正証書にすれば、法務局に登記されるのです!

つまり、準婚姻合意契約では少し弱かった、法的効力がカバーされ、法的にも認められた契約を交わすくらいの関係性であることが、任意後見契約公正証書を作ることで証明できるのが、大きなポイントです。

<ざっくり内容>

  • 病気などで意思表示ができない状態になった時の生活・療養看護・財産管理を相手に任せるため、こんな約束をします
  • お任せする内容(代理権が発生する内容の一覧を別添)
  • お任せした時の費用負担
補足

入籍している異性カップルも、本来は任意後見契約を作っていないと、相手の財産を勝手に処分したりしてはいけないし、できないらしいのです。でも実態的には、「法的に妻だし(夫だし)」ということで、OKになっているようです。

ちょっとビックリですよね。

公正証書ではカバーできない部分もある

このように、何種類かの契約書を作ることで、婚姻届を出す結婚と同じような権利や義務を発生させることができる公正証書。しかし、決して万能ではありません。

戸籍上はあくまで”他人”なので、例えばパートナー死亡時に、戸籍上”家族”である相手の親や兄弟と、戸籍上”他人”である自分が争いになった場合、例えパートナーであった事実や公正証書があっても、100%自分の主張が通るとは限りません。

(悲しい例でいうと、相手の死亡時にお葬式に出させてもらえなかった、相手名義の家を家族にとられてしまった 等)

また、配偶者がいることで税制面上で得られる優遇措置にあたる扶養控除も、公正証書ではどうすることもできません。

準婚姻合意契約公正証書と任意後見契約公正証書の費用

公正証書を作る際、2つの費用が発生します。

  1. 公証役場に払う手数料
  2. 弁護士や行政書士に払う手数料

上記のうち、①は払わないとそもそも公正証書が作れないので、必須費用となります。

②は、公正証書の中身を考える補助をしてもらったり、公証役場と自分たちとの間に入って代理人として動いてもらうための費用なので、必須ではありません。

補足

公正証書の費用は、お願いする公証役場によって多少差が出てくるそうです。それは、公証人と呼ばれる、公正証書を作ってくれる役場の方が、「この契約書を何と捉えるか」という判断によるからです。

これは、感覚として、弁護士費用が依頼する弁護士さんによって多少変わるというのに似ているなと思います。

私たちの場合は、

  1. 公証役場に払う手数料・・・約6万5千円
  2. 弁護士や行政書士に払う手数料・・・0円

でした。

さらに細かく考えると、雑費として下記費用が発生します。

  1. 戸籍謄本、住民票、印鑑証明書などの必要書類発行手数料・・・約2千円
  2. 交通費・・・約5千円
  3. 実印作成費用2名分・・・約1万円
補足

実印作成は必須ではありませんが、実印として印鑑登録する場合には、実印として認められる印鑑で登録する必要があります。

その辺で手に入る安価なものはコピーが簡単にでき、実印にしない方がいいとアドバイスを受け、結局私たちは新たに印鑑を作りました。

費用のまとめ

私たちの場合は、公正証書の中身を考える補助をしてもらったり、公証役場と自分たちとの間に入って代理人として動いてもらうための弁護士や行政書士費用をかけずに、自分たちで全てやったので、下記費用で済みました。

  1. 公証役場に払う手数料・・・約6万5千円
  2. 弁護士や行政書士に払う手数料・・・0円
  3. 戸籍謄本、住民票、印鑑証明書などの必要書類発行手数料・・・約2千円
  4. 交通費・・・約5千円
  5. 実印作成費用2名分・・・約1万円

合計 約8万2千円

もし、自分たちで作らず、弁護士さんなどを雇って作った場合は、

  1. 公証役場に払う手数料・・・約6万5千円
  2. 弁護士や行政書士に払う手数料・・・約15万~30万円
  3. 戸籍謄本、住民票、印鑑証明書などの必要書類発行手数料・・・約2千円
  4. 交通費・・・約5千円
  5. 実印作成費用2名分・・・約1万円

合計 約23万2千~38万2千円

やよい
安く見積もっても約24万円・・・。

代理を立てるだけで、一気に費用が跳ね上がります!

異性カップルが婚姻届を出す時には、戸籍謄本の手数料で数百円しか必要でないことを考えるとかなりの費用負担です。

準婚姻合意契約公正証書と任意後見契約公正証書の作成期間

結論から言うと、期間は人によってまちまちです。

契約書の原案がすでに用意できていて、公証役場側もすぐに内容チェックと正本作成ができ、公証人立ち合い日の予約が取れれば、すぐにでも作れます。

しかし多くの方の場合、

  • 契約書の原案(どんな内容を入れるか話し合ったことをまとめた書類)を作る・・・約1ヵ月~
  • 原案を元に公証人がチェック、内容の確認をし、正本を作る・・・約1ヵ月~
  • 希望する予約日まで待つ・・・予約次第ですが最短数日から数週間後~

で、2~3か月はかかります。

私たちの場合は、

  • 2016年12月20日に結婚したいことが決まっていたので、そこから逆算し準備スタート
  • 2016年10月に、行政書士さんに無料相談。費用相場を知り、自分たちでやると決め、情報収集。
  • 公証役場に予約、二人で内容を話し合って(細かいのも入れると5回以上しました)、原案作成
  • 2016年11月頃から、公証人による原案のチェック、内容の確認、電話でのやり取りは3回程度
  • 2016年12月上旬、最終内容ができ、私たちも最終確認
  • 2016年12月20日に晴れて作成完了、結婚

という手順と期間だったので、やはり約2ヵ月半はかかりました。

私たちの選択を振り返る

公正証書は、費用・手間・時間と、全てにおいて割と負担のかかる方法でしたが、私たちカップルは何とかクリアできそうな条件だと判断したため、実行しました。

しかし、めちゃくちゃ多忙なカップルだったら、たとえ費用面でクリアできても、話し合いの時間がとれなければ弁護士を雇っても契約書の中身を決めることはできないでしょうし、20歳そこそこのお金があまりないカップルであれば時間はあっても費用面が壁になってしまうと思います。

また、どの方法を選んでも、メリット・デメリット、長所・短所があり、完璧ではないことも実感しました。

それは現行の結婚制度も同じです。

例えば同性カップルが異性カップルと同じく婚姻届が出せるようになったとして、「どちらの苗字を名乗るか」はちょっとした懸案事項になります。

私も妻も、個人で仕事をしているフリーランスで自分の名前で仕事をしていたり、私が家の事情で苗字を変えられないので、ちょっと困る問題です(私たちの場合は妻が苗字にこだわりがないので良いのですが)。

配偶者のように法的に「家族」と認められるという側面を重視するのであれば「養子縁組」という方法もありますが、先述のように同性婚が認められた後の取り扱われ方に不安が残ります。

結局、カップルでよーくよーく話し合って、二人が納得する形を見つけることが最も重要です。

私たちの選んだ「公正証書」もその形の一つにすぎず、私たちカップルにとっても重要なのは、公正証書を作るまでに話し合った時間とその内容だったなと、実際の結婚生活が始まった後にしみじみ実感しました。

同性・異性カップルどちらにしても、親や友達などの周りの意見や社会の空気に合わせるのではなく、自分たち二人が納得いく方法を見つけることが結婚を考える上で一番重要で、幸せへの近道です。

その話し合いの結果、「結婚式や入籍や公正証書を作ることはせず、二人の中で誓いを立てることをもって結婚とする」と決め、両者が心から納得できているのであれば、周りに何を言われても、それが立派な二人にとっての「結婚」であり、素晴らしい選択です。

常識や固定概念にとらわれず、自分たちの本音を大事にすることが、「幸せな結婚」への一番の近道だと私は思います。

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